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『機械に魂を入れる組立』

製造部組立グループ 副グループ長 吉羽 新一

我々の職場は、ホブ盤の製作、それも最終工程『組立』を担当しています。
『ホブ盤』とは、材料から歯車を削り出す機械のことで、ホブ(切削用刃物工具)をホブ軸に取り付け、ホブと歯車材に一定の回転を与えて創成歯切り加工をおこなう機械です。工作機械への組付け部品はもともと高精度に仕上げられてはいますが、最終工程での『組付け精度』次第で、「高精度加工」「長寿命」機械として仕上がるかが決まります。

120型で養われた『浜井の匠の技』

当社の代表的ホブ盤に約70年作り続けている『ミクロン型ホブ盤120シリーズ』があります。“キサゲ(スクレーパ)作業”によるテーブル摺動面のすり合せや、“ササッパ(笹葉形キサゲ)作業”によるホブ軸のメタルすり合せは、機械加工ではできない高精度な平面や曲面をつくりだし、何年経っても変わらぬ精度を維持しています。 この機械とともに、熟練者の技とノウハウが集結された『浜井の匠の技』が作り上げられたといっても過言ではありません。
近年はグローバル化やお客様ニーズの多様化により、これまでのギヤトレーンの汎用機からCNC制御機械が主流となり、当社も2000年からCNC制御の『Nシリーズホブ盤』を製作しています。NCによる補正ができるとはいえ、もともとの機械精度が鍵であることは変わりません。部品と部品の摺動面・回転軸の直角度・真直度・平行度・真円度をきめ細かく調整し組み付けます。

技術の多様化対応とその伝承

納入や修理で海外へ出かける事も多くなり、個々の技術力アップが急がれています。 機械の機構が変わることで組付け作業の取組み方も変わり、新たな軸受の特性や組付け方法、油圧や空圧の機構といった幅広い知識が必要とされています。そこで、部品メーカーによる講習会の開催や歯車の勉強会を社内にて行っています。
ホブ盤チームも、ここ数年で若手が多くなり、機械と共に職場も様変わりしました。 若い人に技術を伝えるに際しては、人手による精密な組付け調整『匠の技』を変わらぬ基本としつつも、若い人の考えや最先端ハイテク技術を取り入れた『ハイテクものづくり』を進めています。

精度への確信

組立が完了し試運転のスイッチを入れて機械が粛々と動き出した時の感動は、ベテランも若手も変わりありません。計器類の数値だけでなく、目・耳・手そして感性など五感すべてをもって機械の作動を見守ります。
この時に、「精度への確信」が生まれます。まさに、機械に魂が入った瞬間です

これからも、お客様に常に最高レベルの精度をお約束出来る製品を提供できますよう、若手・ベテランともども日々努力を重ねてまいります。