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「精密ホブ盤120A」最終号機を出荷!!

さる2018年10月、「精密ホブ盤120A」の最終号機をロシアのユーザーへ出荷いたしました。
この精密ホブ盤120シリーズ機は、1936年11月に1号機を国内ユーザーに納入して以来, 戦後数年間の生産中止期を除き、現在に至るまで連綿として生産を継続してきたロング・セラー機で、累計生産台数は6000台を超えます。こんなことから、かつて当社株式の「券面」を飾ったこともある代表機種でした。

近年ホブ盤もNC化が進み、当社も高精度横型ホブ盤「Nシリーズ」を市場へ投入してから既に20年近くなります。
一方、120シリーズ機は、平歯車・ハスバ歯車・ウォームギアなど様々な小型歯車を量産加工出来る能率性に優れ、かつ少量多種加工用としても、そのコンパクトな形状で操作性・段取りが簡単であることから、ベテラン作業者に根強い人気を得ておりました。
加えて、モーター1個で「歯数・回転数・送り・ねじれ角」など主要な動作をギアトレインで駆動、“きさげ加工”された摺動部分を持つ、手作業組立の「典型的な工作機械」であることから、高校・大学など教育機関での教材の役割も務めており、『浜井の工作機械作り』の職人魂を象徴する機械でもありました。

近年のNC化の時代の流れで82年間続いた名機の生産を終了する事になりましたが、そんな中で最後の出荷先がロシアであることも意味深いものがあります。
この120シリーズ機は、1961年に当時のソ連との大型商談が成立して以来、1990年までのおよそ30年間に約1000台以上が納入され、同国の民生産業基盤の底上げに多少なりとも貢献できたものと思います。
今回、国名は変わりましたが同じロシアへ最終号機が出荷されるのも何かのご縁との感慨深い想いで送り出しました。

機械出荷検査にロシアから来られたユーザーとの記念写真が歴史の1ページを飾ることとなりました。

海外営業部 部長 佐藤 和夫
(平成30年10月19日)