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コロナ禍における東京営業部奮闘記

東京営業部長 南原 正志

「新型コロナウィルスCOVID19」があっという間に世界を恐怖の底に陥れた。日本では2/5にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」を横浜港に隔離し、2/13に初の死亡者が発生。ついで学校の休校、3/12にWHOがパンデミック(感染大流行)を認定、有名タレントの突然死そして・・・4/7日本政府が7都府県に対し「緊急事態宣言」を発出した。
外出自粛要請による飲食店や夜の繁華街は静まり返り、観光地からの人の姿が消えた。
海外への渡航禁止もいまだ解除されず、人の交流・物流が途絶え、製造業における仕事も激減した。
まさにリーマンショックをはるかに凌ぐ世界的景気後退に見舞われている。

当社においては2020年3月後半より新型コロナウィルスへの対応策として、東京と大阪における通勤のリスクを避けることから5月末までの約2か月間は原則在宅勤務となった。
特に東京はじめ都市圏からの地方への出張は敬遠され、私たち営業部員は基本としていた「足で稼ぐ営業活動」が出来なくなった状態である。

先の見えない不安のなか電話やメールでお客様との連絡を取り合うも、各社ともコロナ対策に追われ設備投資の話をして頂ける状況では無かった。
私たちの営業活動は、お客様と対面でお話をさせて頂き多様な会話の中から、お客様のお役に立てる情報を提供・提案をすることを通して、場合によっては設備投資へと話が展開することから、それが出来ず今回のような経験のない状況において成す術も無かった。

途方に暮れながら日々を過ごす中、ある日スマートフォンの着信音が静かに鳴った。
「良い機械で活躍しているよ!」と懐かしいお客様の声が聞こえてきた。当社の機械を近年導入頂いたお客様からであった。
「うちの年代物の機械の調子が悪くて生産に支障が出て困っているんだ。浜井さんで中古機が見つけられないかな」との連絡であった。
幸いにもコロナ禍においてこのお客さまをはじめ半導体業界は極端な影響は受けていない様子で、ほぼ通常の生産を行っていた。
中古機が必要ならインターネットで探せばすぐに見つかるものの、あえて当社に連絡を下さったことにありがたい気持ちとともに、このチャンスをどう活かすべきか必死に考えた。
新品機を検討して欲しいと提案をしたところで、いま困っている生産を直ぐに補えるわけではない。お客様からの今日明日の生産をつなぎたいというご要望に対し、お役に立てる提案が必要である。
そこで当社保有のテスト加工用の展示機を新品機が完成するまで貸出しをさせて頂く提案をした。

いずれは更新しなければならない装置でもあったことから、渡りに船といった感じで商談が進み、貸出機の提供と新品機の成約に至った。

機械の貸出しという提案がタイミング的にもうまくフィットしたこともあるが、営業冥利に尽きるのは、お客様が私に相談をかけてくださったことであった。初号機を導入頂く際も簡単では無く、専門性が問われる業界のメーカーとして、お客様が期待される専門的技術等につきご理解頂ける様にお伝えし、テストでの検証を重ね、ようやくの導入となった。その後は当社の技術部員よるフォローもあり、お客様との信頼関係を築いてきたことが、今回の結果につながったと思っています。

当社の製品は業界的にはニッチな部類に入ることから関連情報が少なく、専門的な技術情報を求められることが多いと言えます。お客様からすればメーカーの営業は専門的技術の情報源であり、業界の動きや新しい技術、既存設備の保守における窓口として、『頼りにされる立ち位置にいること』が我々の理想であると思います。

これから続くコロナ禍における行動制約のなか、新たにWEB会議のツールとして「Teams」を導入することになりました。WEB会議の初めは「どうかな?」と思いましたが、やってみると相手の顔が見えることから疑似的に訪問した感じで話しやすく、話題の展開もスムーズにいくと感じました。
また、当社の足利工場から技術部員も参加させることにより、さらに専門的な会話も可能となります。
更にはWEB会議による勉強会・製品説明会や、WEBによる機械の診断・修理・立会検収など、会議という枠を超えた使い方に発展出来るのではないかと期待していますし、一部はすでに活用されています。このツールをさらに有効に活用して営業活動を活性化・多面化させたいと思います。

私ども浜井産業の企業理念である『ゆるぎない精密機械で産業の発展に貢献する』を念頭に、お客様のご要望を少しでも具現化するお手伝いが出来ますよう、これからも努めて参ります。